
弊社代表取締役CEO・小島舞子が、日本企業のデジタル化の現状について警鐘を鳴らす記事がJBpressに掲載されました。
企業のDX支援を行う中で、弊社CEOが最も強く感じているのは「日本の多くの企業では、いまだに業務の中心がエクセルである」という現実です。AI導入を検討しても、データが紙やエクセルファイルに散らばっており、分析可能な状態になっていないケースが大半。AI活用以前に「データ整備」から始めなければならない状況が続いています。
データが示す日本のIT投資の停滞は深刻です。1995年を基準とすると、米国ではIT投資が約10倍、英国では8倍に増加している一方、日本はわずか1.8倍。この数字が意味するのは、欧米企業がデジタルを経営の中心に据え、ビジネスモデルそのものを変革してきたのに対し、日本企業は「現状の業務を少し便利にする」程度に留まってきたということです。
その背景には、ITやデジタル関連の支出を「投資」ではなく「コスト」として見る文化的要因があります。欧米ではAI導入の失敗を「学習コスト」と捉え積極的に実験を繰り返している一方、日本では失敗を避ける文化が根強く、試行錯誤の機会自体が失われています。また、経営層のIT理解不足も深刻で、現場からは「AIという言葉を出すと、むしろ怪しいものと見なされることもある」という声も聞かれます。
特に深刻なのは、日本企業の99%を占める中小企業です。資金的にも人材的にもIT投資に踏み切れず、担当者がエクセルにマクロを組んで「なんちゃって自動化」を実現しているのが現実。このような状態では、世界中でAI投資が活発化する中、10年後に企業が生き残れる可能性は極めて低くなります。
弊社のようなスタートアップが注目されるのは、単にAIを導入するのではなく、業務の見える化から伴走する現場密着型の支援を行っているためです。まずは紙やエクセルで管理されている情報をクラウドに移し、部門間で共有できる体制を整える。この「小さなDX」の積み重ねが、真のAI活用への第一歩となります。
重要なのは、完璧なシステムを一気に導入することではありません。社内のデータを見直し、現場が使いやすいツールを選び、小さな成功を積み重ねること。AI投資を「コスト」ではなく「未来への積立」として捉える意識改革こそが、日本企業が再び世界で存在感を示すための鍵となります。
掲載媒体: JBpress
記事タイトル: 「AIはいらない表計算ソフトで十分という企業への警鐘、10年後に存続は難しい」
URL: https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/91580


